チャンピオンがいっぱい!?ボクシング団体の違いは?|ボクシングフィットネスジムNOA

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ボクシングも最近は村田諒太選手や井上尚弥選手など日本人選手の活躍で、盛り上がりを見せていますが、ボクシング団体の種類が多すぎると思ったことはありませんか。
ひと昔前だとWBAとWBCぐらいしか聞かなかったものですが、最近では聞いたことがない団体名を耳にすることもあった同じ階級に何人も世界チャンピオンがいる状況になっています。
これではだれが最強で本当の世界チャンピオンなのか、わからないですよね。


■ ボクシング主要4団体と所属日本選手


そもそもボクシングの世界戦の際に見かける主要4団体は、WBAやWBC、さらにはIBF、WBO。
これらはいずれも統括団体の略称で、正式団体名は以下のとおり。

・WBA:World Boxing Association=世界ボクシング協会


WBC:World Boxing Council=世界ボクシング評議会


・IBF:International Boxing Federation=国際ボクシング連盟


・WBO:World Boxing Organization=世界ボクシング機構


ほかにもアルファベットを並べ替えたようなマイナー団体はいくつかあるが、世界的認知度の高いものは上記4団体に限定される。


■ なぜ?4団体のルールの違い


(1)WBA(World Boxing Association世界ボクシング協会)


1921年設立と最も歴史が古く、90か国が加盟しています。
スリーノックダウン制(1ラウンドで3回ダウンした場合は即ノックアウト負け)を採用。


(2)WBC(World Boxing Council世界ボクシング評議会)


1963年設立で最も多い161か国が加盟しています。
このボクシング団体の最大の特徴は4Rと8Rの終了時に採点を公表するオープン・スコアリング・システムを採用していることでしょう。
これによって選手の戦い方も変わり、観客の見方も変わります。
フリーノックダウン制(1ラウンドで何回ダウンしてもOK)を採用。


(3)IBF(International BoxingFederation国際ボクシング連盟)


1988年設立で65か国が加盟しています。
フリーノックダウン制を採用。


(4)WBO(World Boxing Organization世界ボクシング機構)


1983年設立で27か国が加盟しています。
スリーノックダウン制を採用。


■ ボクシング団体乱立の中で、どこが強いの?


最も古いのはWBAで、1920年代に前身の全米ボクシング協会(NBA)が設立されている。62年にWBAと発展的改称を遂げ現在に至る。日本ではフライ級の大場政夫、V13王者・具志堅用高らがWBAの王座に君臨した。


WBCはもともとはWBAの一諮問機関で、中南米や欧州を管轄していたが63年に独立。当初はWBAと足並みをそろえていたが、徐々に独自の世界王者を認定するに至った。日本は70年代に入ってからWBCを認可し、ガッツ石松、浜田剛史、辰吉丈一郎らが王座を獲得している。現在、4団体のなかではWBCが最大勢力を誇る。


IBFは米国を中心に83年、WBOはカリブの国々を中心に88年、いずれもWBAから分裂するかたちで独立した。日本未認可のこの後発2団体、特にWBOは勢力の拡大に苦労したが、90年代にオスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)やナジーム・ハメド(イギリス)らを擁して認知度を上げることに成功した。


 ちなみに今年4月、WBC世界バンタム級V10王者だった長谷川穂積を4回TKOに下したフェルナンド・モンティエル(メキシコ)は、このWBOでフライ級、S・フライ級、バンタム級の3階級制覇を成し遂げている。王者同士の統一戦は各団体の名誉と威信をかけた戦いでもあるのだ。


「どの団体のチャンピオンが一番強いのか」という素朴な疑問を投げかけられることが多いが、これに関しては「正答はない」というしかない。まずは自分の目でチェックすることをオススメしたい。


■ チャンピオン同士が戦う!最強王者を決める統一戦!


統一世界王者は、WBA・WBC・IBFの統一王者を3団体統一王者、WBA・WBC・IBF・WBOの統一王者を4団体統一王者といいます。


統一世界王者を決めるには、主要四団体のチャンピオン同士がベルトをかけて統一戦を行うというのがこれまでの一般的な方法でした。
しかし、昨年から真の世界チャンピオンを決めようとWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)という主要四団体チャンピオンと選抜の強豪選手によるトーナメント戦が開催されています。


第1回は、スーパーミドル級とクルーザー級の2階級で行われ、第2回は、すでにバンタム級が進行しており、井上尚弥選手が初戦で鮮烈なKO勝ちを飾ったのは記憶に新しいところです。


このWBSSで各階級の最強が決まれば、ボクシング団体の格付けもある程度、はっきりしてくるのではないでしょうか。


--終わりに-
ボクシング団体の種類が増えた分、選手にとっては世界チャンピオンになりやすい時代になったかもしれませんが、ファンにとってはわかりにくくて世界チャンピオンが複数存在する状況は歓迎されません。
団体の枠を超えて、真の最強チャンピオンが誕生することを期待します。