はじめに
足首は、足関節(距腿関節とも言われる)とも呼ばれ、距骨(きょこつ)と下腿の脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)を結ぶ関節のことを指します。
私たちが日頃から行う歩く動作や階段を上る動作などはもちろん、野球やサッカーといったスポーツでも足首の関節は常に動作しています。
そんな足首を柔らかくしていますか?
足首を柔らかくすることは単なる捻挫などのケガの予防だけでなく、運動能力の向上やダイエット効果まで期待できます!
スポーツを行う時だけでなく、日常生活にも嬉しい効果が盛りだくさんです。
■ 足首の筋肉とは?
足首の筋肉の種類 1.下腿三頭筋
ふくらはぎの部分にある筋肉が「下腿三頭筋」です。腓腹筋(ひふくきん)とヒラメ筋の2つから成り立っており、足首の曲げ伸ばしや美しい立ち姿勢を保つために重要な筋肉です。
また下腿三頭筋は第二の心臓とも呼ばれ、下半身の血液循環を行うポンプ機能があり、この筋肉が衰えることで、むくみや足の疲れを引き起こしてしまいます。
下腿三頭筋の筋トレを行うことは、むくみ解消だけでなく体全体を支え、運動機能や代謝の向上が期待できるので、全身を引き締めるためにも効果が期待できます。
足首の筋肉の種類 2.前脛骨筋
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)は、すねの部分から足の裏に伸びている筋肉です。足首の関節の曲げ伸ばしや土踏まずのアーチを保つ役割を行っています。足首の柔軟性を維持し、歩行の際の衝撃を吸収する役割もある筋肉です。
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)が衰えると「つま先がしっかり上がらずつまずきやすくなる」など怪我の可能性も上がるため、意識的に鍛えるようにしましょう。
足首の筋肉の種類 3.足底筋群
足の裏は「短母趾屈筋」、「母趾外転筋」、「短小趾屈筋」、「小趾外転勤」、「足底方形筋」などいくつもの筋肉で構成され、総称して足底筋群と呼ばれます。これらの数多くの筋肉は、ヒザや足首の関節の動きに大きくかかわり、美しい姿勢の維持や歩行の助けをしています。偏平足や外反母趾の要因は、足底筋群の衰えが要因といわれています。
偏平足は足のアーチが保たれていない状態を指し、足裏の土踏まずに浮きがなく平らな状態を指します。偏平足の人は、足が疲れやむくみがでやすいといわれています。
■ 足首が硬い人の特徴
そもそも足首の硬さを気にしたこともない人もいるかと思います。
関節は動きが得意な関節と安定性が得意な関節の2つに分かれます。
足関節は動きを得意とする関節で、ぐるぐると様々な方向に動かすことができます。
ではこの動きが悪くなるとどうなるかというと、安定性を得意とする関節にしわ寄せが来るのです。
それが膝であったり腰であったりします。
そのため足首が硬いと膝や腰に不調が出る可能性があります。
では足首が硬いとはどのような状態なのか?
よく足首を柔らかくしようと手でグリグリと回す方がいらっしゃいますが、実際にどのような柔軟性が必要なのかというと、"しゃがめる"かどうかです。
しゃがんだり、歩いたり、走ったり、階段昇降であったりと足の裏が地面に着いた状態でどれだけ動けるかがポイントとなります。
では、左右の足をぴったりとくっつけて立った状態からどこまでしゃがめるかチェックしてみましょう!
なんとかしゃがめればOKです!
しゃがめない人は恐らく後ろに倒れると思います。
いかがでしたか??
足首が硬いとなぜ不調が出るのか?
では足首が硬いとなぜ膝や腰に負担がかかるのか?
先ほどのチェックで足首が硬い人は後ろに重心がかかり倒れそうになったと思います。
これをバランスを取ろうとすると腰を必要以上に曲げて上半身を前に倒してなんとか重心を前に移動させて維持しようとします。
腰というのは先ほどの関節の2パターンで振り分けるのであれば安定性を得意とする部位なのです。
その腰を必要以上に曲げるということはそれだけストレスがかかってしまうのです。
そしてそれだけ上半身が前傾すると視界は下しか見えません。
それを前を見ようとすると次に肩や首に負担がかかります。
膝に不調が現れるパターンもあります。
先ほど左右の足をぴったりつけるとしゃがめなかったけど足を開くとしゃがめる人がいると思います。
この時膝は内側に曲がり内股になるような形になっていませんか?
実はこの形は膝にとても負担がかかります。
そしてこの形の人は太ももの外側が張り骨盤が開きやすくなり反り腰になりやすくなります。結果的に腰にも負担が連鎖してきます!
足首が硬いだけで全身に連鎖して不調が別のところで表向きに出てくるのです!
■ 足首を柔らかくするメリット
(1)捻挫など怪我の予防
怪我を未然に防げます。
足首に柔軟性があると、脚を地面につけたときクッションのように衝撃を吸収することができます。そのため少々無理な力が加わっても、捻挫や大きな怪我を防ぎやすくなります。
(2)スポーツのパフォーマンスアップ
足首の柔軟性が上がると膝や股関節の可動域も広くなり、さまざまなスポーツにおいて技術アップが見込めるというメリットもあります。運動前にしっかりとストレッチをしておくだけでパフォーマンスに差が出ることも多々あります。
(3)血流が良くなる
足首は第2の心臓といわれるふくらはぎの筋肉とつながっているため、ほぐすことで全身の血流アップが期待できます。むくみや疲れの改善、冷え症の改善、また老廃物が流れやすくなることで脚のシェイプアップにもつながります。
(4)脚の疲労回復が早くなる
足首のストレッチはふくらはぎの筋肉を刺激し、血行の促進効果を得られるメリットがあります。血行が良くなれば、疲労物質の排出と酸素と栄養の運搬がスムーズに行われるようになります。それによって、疲労回復も早まり、回復力が向上するのです。
スポーツ選手などで、寝る前のストレッチを欠かさない方が多いのは、こうした理由があるから。毎日のストレッチ習慣が次の日の自身のパフォーマンスを作っていきます。
■足首を柔らかくするストレッチ
自宅オフィスでも簡単にできる効果的なストレッチを教えていきたいと思います。
ふとした時でもいいので足首付近の筋肉も伸ばしてあげるとより効果的です。
(1)立ってできるアキレス腱を伸ばすストレッチ
・壁から少し距離を作り両手を肘伸ばした状態で壁に手をつけます。
・片足ずつ1歩後ろに伸ばして膝を伸ばした状態で前に重心をかけていき、10~15秒伸ばしていきます。
・右左交互に行って2~3セット行いましょう。
(2)ふくらはぎとお尻を同時に伸ばすストレッチ
ふくらはぎは「ヒラメ筋」という筋肉を、お尻は「大殿筋、中殿筋」という筋肉を伸ばしていきます。
・両手を床につけて四つん這いの状態を作ります。
・膝をゆっくり浮かせて行きながら足を手でバランスを取りながら膝を伸ばしていきます。
ふくらはぎ付近が伸びていると感じたら15秒間キープします。
(この時お尻あたりが上の方に引っ張られるイメージで上げていきます。)
・ゆっくり膝曲げながら四つん這いに戻していきます。
(3)段差を使いながらストレッチ
ここでは「ヒラメ筋、ヒフク筋」という筋肉を伸ばしていきます。
ちょっとウォーキングした後やトレーニングした直後などの少しの休憩でも柔軟にもなりますので是非実践してみてください。
・10cm~15cmの高さのある段差を用意しましょう。(安定しているもの)
・片足のつま先だけ乗せてかかとは床につけた状態で15秒キープします。
交互に2~3セット行いましょう。
(4)足関節を柔らかくする足首回し
足首は無意識に使っている関節部分でもあるのでふとした時にもストレッチをしてあげてください。
・椅子に座った状態で左足の膝に右足首のくるぶし側を乗せましょう。
・足裏を手で持ちながら軽く膝を曲げます。
ゆっくりと外回り3~5回と回したら内回り3~5回と回していきましょう。
■最後に
足首を動かす重要な筋肉とストレッチの正しい方法などをお伝えしてきました。
意外と、しているつもりでできていない部分でもあるので、意識して行っていただきたい足首のストレッチ。
どこでも簡単にできますし、怪我の予防や脚のむくみ解消に役に立ちます。立っていても、座ったままでもストレッチできる部位なので、気づいたときに伸ばして身体を労わってあげましょう!