はじめに
持久力とは「長く持ち堪えられる力」「長く運動し続けることのできる体力」のことを指します。学生の頃、授業で持久走をしたことのある方は多いと思いますが、それ以外にも持久力を高められる方法がたくさんあります。今回は、持久力を高めるメリットや方法について紹介していきます。
■ 持久力を高めるメリットとは
(1) 運動パフォーマンスの向上
持久力が高まるということは、つまり長時間動いていてもバテにくくなるということです。特にサッカーやバスケなど走りながら行うスポーツでは、試合後半でも高いパフォーマンスを維持するために持久力が必要不可欠します。
(2) 肥満予防
持久力がある人は自然と活動量が増えるため、肥満になりにくいという傾向があります。反対に、持久力が高い人に比べて低い人はメタボや生活習慣病になるリスクが高いとされています。
(3) 健康維持
持久力アップによって身体活動量が増えることは、生活習慣病予防にもつながります。高齢者の場合は脳の老化予防も期待できるので、健康面でもメリットが豊富です。
(4) 疲れにくい
エネルギーを効率よく使えるため疲労を感じにくくなります。同じ活動をしても、持久力がある人はない人よりも少ないエネルギーで身体を動かせるため楽に行えます。
■ 持久力には2種類ある
(1) 全身持久力
体全体の筋肉を使った運動を長く続けるための持久力の事を指します。全身持久力がある=スタミナや粘り強さがあるということなので、マラソンなど長時間の運動をするために必要です。
(2) 筋持久力
体の一部の筋肉を使った運動を長く続けるための持久力の事を指します。筋持久力がある=特定の筋肉に負荷を続けられるということなので、400m走などで重要になってきます。
■ 全身持久力を鍛えるトレーニング
(1) ジョギング
全身持久力を鍛えることが目的の場合は30~60分程度のジョギングがおすすめです。運動不足で不安な人はまずはゆっくり30分走るだけでも、基礎的な持久力を身につけることができます。走るのが苦手な人は速めのウォーキングからのスタートでも大丈夫です。
(2) サイクリング
サイクリングは特に心肺に負荷をかけられるため、最大酸素摂取量を効率的に鍛えられます。持久力をつけるためには長く漕ぎ続ける事が大事なので、20~30分を目安にしましょう。自転車を使うため、全身持久力と同時に下半身の筋持久力アップも期待できます。
(3)階段昇降
まず階段の前に立ち、右足→左足の順に一段だけ上ります。次に右足→左足の順に降ります。腕をしっかり振りながらこれを続けるのが階段昇降です。室内でもできますし、外出先のちょっとした時間にも行いやすいのが良いポイントです。
(4)縄跳び
前から後への切り替えをスムーズに行い、なるべく途切れないよう意識しましょう。縄跳びはリズミカルに長時間の運動ができ、小学生・中学生でも簡単にできるので家族みんなで楽しみながら行うのも良いですね。
■ 筋持久力を鍛えるトレーニング
(1) バービージャンプ
しゃがんで両手を地面につける→両足を後ろに伸ばす→両足を元に戻す→両手を上に伸ばしながら高くジャンプを繰り返すトレーニングです。スピードよりも、身体を一直線にして全身にバランスよく負荷をかけることを優先しましょう。
(2)スクワット
腹筋、背筋、太もも、ヒップなど全身の筋肉を使う屈伸運動です。足先をやや外側に向ける、下げる時に膝がつま先よりも前に出ないようにする、上げる時に背中が丸まらないようにするといったポイントを意識しましょう。
(3) フロントブリッジ
このトレーニング自体が「体幹」と称されることもあるぐらい、インナーマッスルの基礎となるものです。床にうつ伏せになって腕を肩幅に開き、前腕とつま先だけで体を浮かせて支えます。お腹にしっかり力を入れ、頭から踵まで一直線になるようにキープしてください。
(4)プッシュアップ
いわゆる腕立て伏せのことですが、腕よりも実は大胸筋が鍛えられるトレーニングです。正しい姿勢で行えば体幹が鍛えられるので、姿勢改善や疲労予防にも繋がります。
■ トレーニングの注意点
全身持久力を高める場合の注意点は、「ゼイゼイ」する激しさではなく「ハアハア」と一定のリズムで呼吸できるレベルの強度で行う事と、それを長時間続ける事です。心拍数を1分間に120~150程度にキープすることでより効果が期待できます。一方、筋持久力を高める場合の注意点は、連続して20~30回できるトレーニングを低負荷で行う事、セット間のインターバルを短く取ることです。インターバルとは「間隔」「休憩時間」のことで、これを長く取りすぎないことが効率よく鍛えるコツです。